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弁護士に依頼した場合の相続における不動産評価

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年5月24日

1 不動産の評価方法についての争い

相続では、不動産の評価方法が問題となることがあります。

特に、すでに争いになってしまっている場合には、不動産の評価方法についての意見がまとまらず、争いが激化してしまうことがあります。

このような争いでは、不動産を取得する予定である側は、不動産取得の代償金を減額するため、不動産の評価額をできるだけ低くしたいと考えるところでしょう。

その一方で、不動産を取得する予定がない側は、不動産との関係で受け取る代償金を増額するため、不動産の評価額をできるだけ高くしたいと考えるところでしょう。

これらは、相続財産の公平な分配を求める一般的な主張ですが、それぞれの側について、不動産の評価額についての要点をまとめたいと思います。

2 相続で不動産の評価額が低いと主張する場合

このような場合には、固定資産評価額を目安として、不動産を評価するべきであるとの主張を行うことが考えられます。

一般に、固定資産評価額は、時価よりも低めの金額に設定されています。

宅地については、時価の7割程度であるといわれています。

このため、固定資産評価額をベースに不動産を評価するべきであると主張することにより、不動産の評価額を低く押さえることができる可能性があります。

もっとも、固定資産評価額が低めに設定されていることは、広く知られた事実ですので、相手方から、固定資産評価額によって評価するのは不当であると反論される可能性があります。

このような反論に対しては、以下の2つの理由から、固定資産評価額をもって評価額とすることは、決して不当であるわけではないと再反論することが考えられます。

1つ目は、取得した不動産を保有し続けるのであれば、今後、不動産の管理費用等を負担する必要があるという理由です。

特に、老朽化した建物が存在する場合には、その建物の取壊費用を負担しなければならなくなる可能性があります。

2つ目は、取得した不動産を売却するのであれば、売却時に、不動産譲渡税(取得費が分からない場合は、売却価格の約20%)、仲介手数料(売却価格の3%+6万円+消費税)、測量費用(地積によりますが、数十万円程度)等を負担する必要があるという理由です。

他方、不動産に問題が存在しており、固定資産評価額ほどの評価額もつかないこともあり得ます。

たとえば、道路に面していない土地、傾斜が存在する土地等については、固定資産評価額よりも低額になる可能性があります。

この場合には、不動産業者の査定を得るか、不動産鑑定士の鑑定書を得て、本来の評価額を算定することが考えられます。

3 相続で不動産の評価額が高いと主張する場合

このような場合には、不動産の評価額が固定資産評価額を上回っているとの主張を行うこととなるでしょう。

たとえば、宅地の固定資産評価額が時価の7割程度を目安としていることを踏まえて、固定資産評価額に7分の10を乗じた金額が本来の宅地の評価額であるとの主張を行うことが考えられます。

もっとも、現実には、土地の時価が固定資産評価額に7分の10を乗じた金額をさらに上回る評価額になることもあり得ます。

特に、都市部の土地、マンション等については、固定資産評価額を上回る時価がつく可能性があります。

こうした不動産についても、不動産業者に査定をしてもらうか、不動産鑑定士の鑑定書を得て、時価を算定することが考えられるところです。

また、不動産から賃料収入が発生している場合には、本来、賃料収入の額を考慮して評価額が算定されます。

このため、相当額の賃料収入が発生している不動産の場合には、周囲の相場よりも高い評価額が付されることがあります。

ところが、固定資産評価額では、こうした賃料収入は考慮の対象になっていません。

不動産業者の査定でも、賃料収入を考慮して評価を行うことは困難でしょう。

このような場合には、不動産鑑定士に依頼し、賃料収入を考慮した評価額を算定してもらうことを検討することもあります。

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