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遺贈と死因贈与の違い

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年5月19日

1 遺贈の意義

遺贈とは、遺言によって遺言者の財産の全部または一部を無償で他に譲与することをいいます。

遺贈は単独行為ですので、遺言者が一方的に作成して遺すことができます。

2 死因贈与の意義

死因贈与とは、贈与者が死亡することによって効力を生じる一種の停止条件付き贈与契約です。

遺贈が単独行為であるのに対し、死因贈与は契約ですので、贈与者と受贈者の意思の合致によって成立します。

3 遺贈と死因贈与の異同

⑴ 類似点

遺贈も死因贈与も、人の死亡を契機として他人に財産を取得させる法的手段ですので、死因贈与はその性質に反しない限り、遺贈に関する規定が準用されます(民法554条)。

⑵ 相違点

ア 方式の違い

遺贈はあくまでも「遺言書」によって行いますので、遺言書の作成ルールを守る必要があります。

例えば、自筆証書遺言であれば、遺言の内容を自筆で書く必要がありますし、氏名の自署や検認が必要です。

他方で、死因贈与は「契約」ですので、遺贈の方式に関する規定は準用されないことになっています。

参考リンク:最判昭和32年5月21日

そのため、パソコン打ちの契約書でも有効ですし、氏名も自署ではなく記名押印で構いませんし、検認も必要ありません。

他にも、遺贈の場合は、「遺言能力」が必要とされますので15歳から作成できますが、遺贈の場合は、「契約」ですので、贈与者は、成人年齢である18歳以上でなければなりません。

遺贈は、自筆証書・公正証書・秘密証書などの書面で行わなければなりませんが、死因贈与は書面・口頭のいずれで行うことも可能であるという違いもあります。

イ 税金の違い

(ア) 不動産取得税

遺贈の場合は、相続人が受遺者であれば非課税となります(地方税法73条の7第1号)。

しかし、死因贈与の場合は、相続人に対する死因贈与であったとしても、受贈者が取得した不動産の価額を基準に課税されることとなっています(仙台高判平成2年12月25日)。

(イ) 登録免許税

遺贈の場合は、相続人に対する遺贈であれば不動産価額の0.4%、相続人以外の者に対する遺贈であれば2%の税率で課税されます。

死因贈与の場合は、相続人・相続人以外を問わず、受贈者には2%の税率で課税されます。

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