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農地を相続した場合の対処法

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年6月28日

1 農地の取扱いは特殊

日本では、食糧自給率向上や農業の発展等の観点から、農地を相続した場合の相続登記には特別な手続きが定められています。

2 農業委員会への届出

農地を相続した場合は、農業委員会へ相続の届出手続きを行う必要があります。

農業委員会は、原則として市町村に1つは設置してありますので、まず農業委員会に連絡してみることをおすすめします。農業委員会事務局の連絡先は、市区町村役場のホームページや関連資料等に書いてあることもあります。

連絡先が分からない方は、そちらで検索してみることもできるかと思います。

農業委員会への届出期限は、被相続人が死亡したことを知った時から10か月以内です。

3 法務局での登記

また、相続する農地を管轄する法務局で、農地の名義人を変更する所有権移転登記をしなければなりません。

法務局での登記では、登記申請書類の他、被相続人の戸籍の附票又は住民票の除票や、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、相続人全員の印鑑証明書、相続する人の住民票、農地の固定資産評価証明書、遺産分割協議書や遺言書等の多くの書類が必要となります。

必要書類は法務局に問い合わせるとわかりますが、登記申請書類の作成や必要書類の収集までは、法務局では行ってくれませんので、ご自身で集める必要があります。

時間がない、収集の仕方がわからないなどの方は、相続に詳しい弁護士に相談されることをおすすめします。

4 農業を続ける場合

相続税の納税を猶予する制度を利用できる可能性があります。

しかし、あくまでも「猶予」にすぎず、「免除」ではありません。

相続人が農業をずっと続けていくのであれば、相続税が免除されますが、途中で農業をやめて宅地等にする場合は、猶予されていた相続税+利子税がかかることになります。

5 農業を続けない場合

相続放棄をする、売却する、貸すといった選択肢があります。

相続放棄をする場合は、家庭裁判所で手続きを行います。

原則として、被相続人が亡くなってから3か月以内に手続きを行う必要があるため、時間には注意が必要です。

農地のまま、売却・貸す場合でも、農業委員会の許可が原則必要となります。

また、農地から宅地等、別の用途に転用して売却・貸す場合も、農業委員会の許可が必要となります。

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