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相続財産清算人の選任について

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年8月24日

1 相続財産清算人の選任が必要な場合

亡くなった方に法定相続人がいない場合や、法定相続人がいても全員が相続放棄をした場合には、相続財産を管理する人が必要になることがあります。

このように相続財産を管理する人を相続財産清算人といい、これは家庭裁判所に選任をしてもらう必要があります。

どの裁判所に選任を申し立てる必要があるかというと、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

この相続財産清算人には弁護士が選任されることが多いです。

相続財産清算人の選任申立は、限られた人しか行うことができず、申立を行う場合は、亡くなった方の出生から死亡までの一連の戸籍謄本や住民票、財産関係の資料(通帳や固定資産税課税証明書など)、印紙、郵券等が必要となります。

また、予納金というものを裁判所に事前に納める必要があり、申し立てる裁判所や財産内容等によって異なりますが、50万~100万円程度、遺産の内容が多い場合は、200万円以上の予納金を納める必要があることもあります。

なお、必要書類については、以下の裁判所のホームページにも記載がありますので、あわせてご確認ください。

参考リンク:裁判所・相続財産清算人の選任

2 相続財産清算人の選任を申し立てることができる人について

相続財産清算人の選任を申し立てることができるのは、利害関係人または検察官です。

ここでいう利害関係人とは、亡くなった方の債権者や相続放棄をした相続人、特別縁故者などが該当します。

これは、それぞれの人について相続財産清算人がいなければならないことに理由があるからです。

以下では、それぞれなぜ相続財産清算人の選任が必要となるかを解説します。

なお、検察官が申立を行う場合は、ほとんどありません。

また、倒壊寸前の空き家などについては、特別法に基づき、市町村役場が相続財産清算人の選任申立を行うこともあります。

3 債権者について

亡くなった方の債権者、たとえば、亡くなった方にお金を貸していた方などが、お金を返してほしいと請求するとき、相続財産から勝手に回収することはできませんから、請求の相手方となる人が必要です。

この相手方となるのが、相続財産を管理する相続財産清算人であり、ここで債権者には相続財産清算人を選任してもらう必要が生じます。

相続財産清算人が選任されましたら、その清算人に債権を請求することになります。

なお、遺産がほとんどない場合や、遺産が換価できない場合(山林や田畑など)は、事実上、債権を回収できなくなる場合もあるため、注意が必要です。

4 相続放棄をした相続人について

相続放棄をした相続人は、もともと相続人ではなかったことになりますので、本来は相続とは関係なくなるはずです。

しかし、民法上、放棄時に相続財産を占有している場合には、相続放棄をした後も、相続人には後順位の相続人が相続財産を管理することができるまでその財産を管理しなければならないという規定があります。

たとえば、相続放棄をしたものの、住んでいる地域から離れた土地に相続財産である不動産があり、その管理をしなければならない場合があります。

とはいえ、現実的に遠方の土地の管理を続けることは簡単ではありませんので、このような場合、相続放棄をした相続人は、相続財産の管理を引き継ぐ人物として、相続財産清算人の選任を申し立てることができます。

また、亡くなった方の建物が老朽化しており、倒壊の危険がある場合も、相続放棄をした相続人が相続財産清算人の選任を申し立てることもあります。

5 特別縁故者について

亡くなった方に相続人がおらず、または、相続放棄によって相続人がいなくなった場合には、相続財産は、国に帰属する前に、特別縁故者がいればその者に帰属することになります。

そもそも特別縁故者とは、簡単にいうと、亡くなった人と特別な関係にあったことを理由に、相続人がいない場合に遺産を取得できる人のことをいいます。

たとえば、亡くなった方の内縁の妻(夫)や、亡くなった方の面倒を看ていた方などです。

この場合に、まずは相続人がいないことを確定させたうえで、特別縁故者に相続財産を引き渡してもらうために、相続財産清算人を選任してもらう必要があります。

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